パートでも年末調整は必要？扶養内の場合はどうなる？

 

毎年この時期になると行われる「年末調整」。

 

会社がやってくれているけど何をしているのかよく分からない、という方もいらっしゃるかと思います。特にパートタイムや扶養枠内で働くママにとっては、自分は年末調整の対象なのか、よく分かりにくいですよね。

 

今回はパートタイム・扶養枠で働く場合の年末調整についてご説明いたします！

 

そもそも、年末調整って何？

 

 

年末調整とは、「源泉徴収された税額の年間の合計額と、その年に納めるべき税額を一致させる精算の手続き」のことです。

 

会社に勤めていると所得税や社会保険料、住民税などを毎月の給与や賞与から天引きして、会社が代わりに納税しています。ただ、この時点での所得税は概算での金額で、正しい納税額はその年の所得額が決まった時点で再計算する必要があります。

 

年末に計算した正しい納税額とこれまで概算で徴収していた金額を比べて、過不足分を還付または追加で徴収することが年末調整の役割です。

 

 

扶養内で働く私、年末調整が不要な場合

 

年収103万円以下で所得税の源泉徴収がない、という場合は年末調整も確定申告も必要ありません。

 

「103万円の壁」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、年収が103万円以下の場合は基本的に所得税はかかりません。月々の収入が一定額（88,000円）以下で給与からの源泉徴収が行われた月がない場合には年末調整は不要になりますので、給与明細で確認したり勤め先の会社に問い合わせてみてくださいね。

 

ただ、住民税は年収がおおよそ100万円（自治体により異なります）を超えると課税対象になります。年末調整や確定申告をしていれば、住民税の申告手続きは不要ですが、しない場合は、ご自分で役所に申告する必要があります。

 

 

年収103万円以下でも年末調整が必要な場合

 

年収が103万円以下の人でも、下の条件をすべて満たす場合は年末調整が必要です。

 

・会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人

・給与から所得税が源泉徴収されている人

・年末時点で在籍している人（その年最後（12月）の給与を受け取る人）

 

ただし、災害減免法が適用されている場合＝被災して災害減免法の適用を申請し、すでに所得税の減免や還付を受けている人は、年末調整ができませんので確定申告で所得税などの精算を行います。

 

 

こんな時どうする？年末調整の注意点

 

 

①パートタイムやアルバイトを掛け持ちして働いている

 

メインの勤務先（原則として最も収入が多い勤務先）のみに扶養控除等（異動）申告書を提出して、その会社で年末調整を行います。他の勤務先から源泉徴収票を発行してもらい、年末調整をする勤務先に提出してください。

 

②年末調整が必要なのに行えなかった場合

 

期限までに年末調整の手続きが行えなかった場合、年明けから始まる確定申告を行いましょう。

 

各種控除に関する証明書類と会社から発行される「源泉徴収票」があれば、税務署で確定申告が行えます。確定申告も期限内に行えなかった、という場合は「還付申告」と呼ばれる手続きを行ってください。

 

③配偶者控除・配偶者特別控除の申請は誰がやるの？

 

配偶者控除とは、一定以下の所得金額の配偶者がいる納税義務者が受けられる所得控除のこと。配偶者特別控除は、48万円以上の所得を稼いで配偶者控除の対象にできない配偶者であるケースでも適用できる所得控除のことです。

 

例えば妻の配偶者控除・配偶者特別控除を申請したい場合は、申請は夫の年末調整で行います。

 

 

年末調整しないとどうなる！？

 

・各種控除が受けられない

 

年末調整しなかった場合、各種控除を受けられないことで自分の総所得額が多くなり、支払う税金額も高くなってしまいます。

 

・税金の過払いになる

 

年末調整は払いすぎた税金があれば還付を受けられるのですが、払いすぎた分がそのままになってしまいます。また、その年の所得金額から住民税の金額も決まるため、所得が大きいほど翌年の住民税の納付金額も大きくなる可能性があります。

 

 

まとめ

 

年末調整、源泉徴収、扶養親族、還付金…聞き慣れないワードも多く、何となく正社員やフルタイム勤務の人がやるもの、というイメージもあるかもしれません。

 

パートタイム、アルバイトなど扶養枠内で働く場合も、手続きを行うことで払いすぎた税金が戻ってくることもありますので、忘れずにお手続きしてくださいね。

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