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2019.03.22

病院という運営母体の強みを生かし、地域の方々が利用できる施設を目指す-松山市民病院 松山リエール保育園

松山市民病院院内保育所 松山リエール保育園は、一般保育「えいらいキッズ」と病児保育「アイビー」を運営しています。

 

松山リエール保育園は本来の目的である職員の子育て支援施設であるとともに、病院という運営母体の強みを生かし、地域の方々にも利用してもらえる病児保育施設を併設しています。

 

地域住民のために存在し、地域のみなさんが利用できる施設として、保育、看護、医療が一連となって、安全、快適な環境で子どもの保育を行っています。

 

病院だからできる子育て支援について、総務部長の浅野さんにお聞きしました。

 

 

 

▞ 松山市民病院 松山リエール保育園 浅野 光孝 総務部長にインタビュー

 

-女性が働きやすい職場環境を作る。

 

院内保育所を始めたきっかけは、病院で働く看護師の職場環境の改善を考えたからでした。今は、30~40名の看護師を新卒で採用していますが、院内保育所ができるまでは10名程度だった時期もあって、女性が働きやすい職場環境を作っていく必要があると感じました。

 

 

-院内保育所のニーズの高まり。

 

院内保育所を設置したものの、開所した当初はほとんど利用がありませんでした。院内保育所ができることは告知していましたが、育休から復帰する予定の社員はすでに他の保育所に申込んでいたため、1年目の利用者はほんの数名でした。

 

院内保育所ができて数年経った頃、今度は定員を超える申込みがあり、育休から復帰する職員の子どもを全て預かることが難しくなってきました。そこで、病院内の駐車場跡地を利用して、部屋を増設して受入れ人数を増やしたいと院長に申し入れをしました。保育所の増設について了承を得ることはできましたが、費用面については心配でした。ちょうど、企業主導型保育事業が始まるタイミングだったので、その制度を利用して保育所の増設を実現することができました。

 

 

-保育所が職場の隣にある便利さ。

 

院内保育所には看護師や他の職員だけでなく、医師のお子さんたちも預かっています。病院の隣に保育所があるので、時間に余裕を持って仕事ができるメリットは大きいと思います。二重保育で幼稚園が預かってくれない時間だけ預かっていることもあります。新しく施設を増設して受入れの人数が増え、園庭を作ることができたからか、院内保育所を利用する職員が増えました。これまでは、半数程度の職員は他の保育所を利用していましたが、今は約8割が利用してくれるようになりました。

 

 

-病児保育の必要性。

 

病児保育は院内からの要望もありましたが、私自身が立ち上げたい事業でもありました。病院ならではの特性を活かして、場所と保育士の確保ができれば看護師は何とかなると思っていました。

 

働いているお母さんたちの中には、休ませるほどの体調不良ではないけれど、ちょっと心配だなと思いつつ、子どもを保育所に預けた経験がある方も多いのではないでしょうか。結局、心配が的中して子どもを迎えに行くケースも多々あると思います。保育所の隣に病児保育の施設があれば、そんなお母さんたちの心配を少しでも軽減できるのではないかと考えました。

 

院内保育所を増設する際、院長に、病児を預かる部屋を作ってほしいとお願いしました。お願いした時は安易な考えで、三畳程度の広さのちょっとした区切りのある部屋がいくつかあればいいと思っていたのですが、地域の人たちに貢献できる施設にしたいと言う院長の強い思いもあり、気づけば本格的な病児保育施設が完成していました。

 

病児保育を始めるためにいくつかの施設に見学に行きました。それぞれの施設に特徴がありました。いろいろ参考にさせてもらい、ゆったりはできないけれど、大人でも窮屈感のない広さで、安心、安全で、快適な空間作りができればいいなと感じました。

 

 

-地域に貢献できる存在でありたい。

 

病院は本来、営利よりも事業継続を目的としているため、職員の地域貢献への意識が高いと思います。実際、地域のニーズにあっている施設でなければ存在していくのは難しいと感じています。松山市内で病児保育を行っている医療機関は中心部をはさんで南側に位置しているので、私たちは主に北側のエリアに住んでいる方たちの街中への流入に対する受け皿になればいいなと思っています。

 

核家族が増えたことで、子どもが病気になった時どう対処すればよいかわからず、不安な思いをしているお母さんたちがたくさんいると思います。病児保育に病気の子どもを預けることができて助かったというだけでなく、子どもの病状や対処方法などを気軽に相談することができれば、お母さんたちは安心できるのではないでしょうか。そういった情報発信をするためにも、院内にいる小児科医と連携をとりながら、スタッフ自身も成長していく必要があると思っています。

 

 

-将来の施設のあり方。

 

病児保育は職員の手助けにもなっています。子どもが病気の時は、両親に預けている職員が多いのですが、まだ現役で働いている方も多いようですし、例えば、インフルエンザになった子どもを高齢の両親に預けるのは、不安があるようです。病児保育があればそういった心配は軽減されるので、「すごく助かりました。」や「楽になりました。」という声をよく聞きます。

 

今は、未就学の待機児童の解消に向けて国が力を入れていますが、すでに、小学生、特に低学年の児童の預け先の不足が問題となりつつあります。私たちの本業は医療ですので、この問題に対する直接的な解決策は持っていませんが、今後、何かできることはないか考えていこうと思っています。

 

 

 

▞ 浅野 光孝 総務部長ってこんな方

総務部長 浅野 光孝(あさの みつたか)

 

– 休日の過ごし方

 

子どもが、小3の男児と小1の女児なので、習い事の送り迎えをしたり、公園に連れていったりと、子ども中心の休日です。

 

– 働くママへのメッセージ

 

病児保育は、どうしても仕事を休めない時の緊急避難としてのご利用先であるとともに、病気の際の対応や、日常の子育ての相談等ができる場所として、ぜひお気軽にご利用ください。

 

 

 

▞ 会社の概要

会社名

松山市民病院 松山リエール保育園

URL

https://www.matsuyama-shimin-hsp.or.jp/eirai_kids/

設 立

2014年4月

所在地

愛媛県

事業内容

・企業主導型保育事業による院内保育所の運営
・病児保育事業の運営

 

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